「ミッションの確認/再考」? (2)
2005年11月、本木恵介 副理事長はこう書いている。
「直接」の予防策にはなりえない、という自覚があるのに(というより、「出稼ぎ」防止策として着想されたようにも読める)、
それを「根本」的な解決策であるかのようにいう欺瞞がある。
1日1ドルの給与で〈絶対貧困ライン〉から脱したとしても、それは〈所得貧困〉のひとつの指標をクリアしたことでしかない(これを低すぎるとして1日2ドルの場合が併記されていることが多い)。
それだけでは〈貧困〉の解決とはいえないだけでなく、「児童買春被害」の解決を一切保証しない。
仮に、「コミュニティーファクトリー」のやりかたで受益者の世帯から「被害者」が出ないとしよう。
そのとき「児童買春」という〈産業〉、〈トラフィッキング〉に関わる組織や個人をそのままにしておけば、彼らは他の地域から〈調達〉するだけだ。
「カンボジアの児童買春問題」に対しては何のインパクトも与えないのだから、「撲滅する」「被害者を0にする」などという誇大な宣伝を口にしてはいけない。
「かものはしプロジェクト」は出稼ぎの危険性のみを強調するが、出稼ぎによってもたらされる収入向上について、なぜ客観的な評価を与えないのだろうか?
カンボジアで製造される衣料といえば"GAP"が有名だが、生産にあたるシンガポール資本の企業1社だけで3工場、1万人を雇用しているというのに。
インフレ率の増加に対し、"GMAC"(「カンボジア縫製業協会」)加盟各社は月に6ドルの生活補助を支給するようになっている(そのせいもあって、残業代を含めると月給が100ドルを超える労働者が出始めている)。
いっぽう、テレビ番組から判断すると「かものはしプロジェクト」は月給の最低ラインを30ドルから25ドルに下方修正しているようだ。
この人たちはなにがしたいのだろう?
「自己収益モデル」の確立が自己目的化しているのではないだろうか?
②農村での収入向上プロジェクト
・職業訓練プラス物流作りなどを実施し収入を増やし、出稼ぎに行かなくて
もすむようにする。
・米収入向上もありえるが将来的に収益のために日本に販売していくことを
考えると難しいだろう。クラフトその他の物産の収入向上が基本だろう。
(略)
・その場合、売れるかどうかは日本でのマーケティングが必要となり
それほど簡単なことではない。
・当面は、商社的に実施する可能性がある。貧困層の女子が作ったものを買
う、などの幾つかの条件にあてはまるNGOや企業と取引をする。
★直接的CSECのプリベンションにはなりませんが、可能性はありますか?
http://d.hatena.ne.jp/mahiyah/20051128/1133445942
・職業訓練プラス物流作りなどを実施し収入を増やし、出稼ぎに行かなくて
もすむようにする。
・米収入向上もありえるが将来的に収益のために日本に販売していくことを
考えると難しいだろう。クラフトその他の物産の収入向上が基本だろう。
(略)
・その場合、売れるかどうかは日本でのマーケティングが必要となり
それほど簡単なことではない。
・当面は、商社的に実施する可能性がある。貧困層の女子が作ったものを買
う、などの幾つかの条件にあてはまるNGOや企業と取引をする。
★直接的CSECのプリベンションにはなりませんが、可能性はありますか?
http://d.hatena.ne.jp/mahiyah/20051128/1133445942
「直接」の予防策にはなりえない、という自覚があるのに(というより、「出稼ぎ」防止策として着想されたようにも読める)、
このままITを軸に進めていくのか、または原点に立ち返り、児童買春問題の根本解決に挑むため農村に進出するのか、意見は真二つにわかれる。
http://www.kamonohashi-project.net/mission/history/history05.php
http://www.kamonohashi-project.net/mission/history/history05.php
それを「根本」的な解決策であるかのようにいう欺瞞がある。
1日1ドルの給与で〈絶対貧困ライン〉から脱したとしても、それは〈所得貧困〉のひとつの指標をクリアしたことでしかない(これを低すぎるとして1日2ドルの場合が併記されていることが多い)。
それだけでは〈貧困〉の解決とはいえないだけでなく、「児童買春被害」の解決を一切保証しない。
仮に、「コミュニティーファクトリー」のやりかたで受益者の世帯から「被害者」が出ないとしよう。
そのとき「児童買春」という〈産業〉、〈トラフィッキング〉に関わる組織や個人をそのままにしておけば、彼らは他の地域から〈調達〉するだけだ。
「カンボジアの児童買春問題」に対しては何のインパクトも与えないのだから、「撲滅する」「被害者を0にする」などという誇大な宣伝を口にしてはいけない。
「かものはしプロジェクト」は出稼ぎの危険性のみを強調するが、出稼ぎによってもたらされる収入向上について、なぜ客観的な評価を与えないのだろうか?
カンボジアで製造される衣料といえば"GAP"が有名だが、生産にあたるシンガポール資本の企業1社だけで3工場、1万人を雇用しているというのに。
インフレ率の増加に対し、"GMAC"(「カンボジア縫製業協会」)加盟各社は月に6ドルの生活補助を支給するようになっている(そのせいもあって、残業代を含めると月給が100ドルを超える労働者が出始めている)。
いっぽう、テレビ番組から判断すると「かものはしプロジェクト」は月給の最低ラインを30ドルから25ドルに下方修正しているようだ。
この人たちはなにがしたいのだろう?
村人に職業訓練と雇用を提供し、子どもが学校に通うことで、出稼ぎ先で起こる児童買春の被害を
予防することができます。貧困家庭の子どもとその家族に職業訓練を行います。
職業訓練センター(ファクトリー)が ビジネスとして利益を上げ、持続可能な自己収益性をもった
事業とすることを目指しています。
http://www.kamonohashi-project.net/campaign/index.php
予防することができます。貧困家庭の子どもとその家族に職業訓練を行います。
職業訓練センター(ファクトリー)が ビジネスとして利益を上げ、持続可能な自己収益性をもった
事業とすることを目指しています。
http://www.kamonohashi-project.net/campaign/index.php
「自己収益モデル」の確立が自己目的化しているのではないだろうか?
by grilled_duckmole
| 2009-03-03 18:00