「ビジネスとして成り立っていません」? (1)
事業収入だけではまかなうことが難しいが、これは一定程度のコストしか
かからない。これを会費でまかなう。
それに比べカンボジアでの事業規模の拡大に必要な経費は軽く、
事業収入を得ることはしやすい。
http://d.hatena.ne.jp/mahiyah/20051202/1133488754
しやすい、といってのけたのは、
間違えた。
本木恵介 副理事長。
6月から始まった新「ファクトリー」の運営費用に「年間1800万円」かかるのだという。
「国際ボランティア貯金」寄付金の配分申請の際の総予算は2工場で1000万円強。
裏金でも作ってるんでしょうか?
...ってことはさすがにないだろうけど。
おそらくはカンボジア事務局と「ファクトリー」の予算の合計だろう。
厳しいでしょ、正直。
「ピープル・ツリー」の売り上げが初年度3000万円で現在は約8億円(ただし黒字化に8年)。
「マザーハウス」は初年度「10000ドルを大きく越え」、直近が1億円台なかばで来年は4億を目指すとか。ネパールにも展開。
「オルタートレード」が10億円台後半。
3年で月商100万円で収支トントンを目指した「ぐらするーつ」は立ち上げ直後にあっけなく売上目標を達成し、今は億の台。
「ピースウィンズ・ジャパン」の物販が年商1億円強。
「シャプラニール」の「クラフトリンク」が8000万弱。
「かものはしプロジェクト」の「ビジネス」がそこまで育つかというと、なにかが足りないんだよなあ。
決定的に。
なぜ革靴がカンボジアから日本にあれだけ入ってくるかといえば、後発開発途上国への特別特恵関税のほか、"Quata"の枠外だから。
アメリカの「人身売買報告書」で"Tier 2 watch list"に指定されてなぜカンボジアが震え上がるかといえば、改善が見られなければ経済制裁の発動もありうるから。カンボジアから輸出される衣服の7割前後はアメリカ向け。
理由は人身売買ではないが、ビルマに対する禁輸措置が実施されたとき、縫製工場の半分ほどが閉鎖にいたった。
「いぐさ製品」って「組物材料又はさなだその他これに類する組物材料から成る物品を平行につなぎ及び織つたものであつてシート状のもの」だとしたら関税率6%で、「かご細工」になると9.6%ってことでいいんだろうか。
カンボジアからならLDCが適用されて無税だけど、原産国証明を取得しなければならない規模で展開する覚悟はあるのだろうか?
[追記]
本木副理事長は〈役員報酬〉ではなく〈使用人兼務役員〉として給与を受け取っているので、本来ならば駐在員と同等の水準に変更されていなければならないはずだ。理事としての職務は無報酬である。
それにしても「かものはしプロジェクト」の駐在員の給与は低すぎると思うが、一時帰国中らしい新駐在員がプノンペンでなにをしているのかもさっぱりわからない。
[追記]
最初の「ファクトリー」は「いぐさマット」だけを生産していた。
2人ひと組で1日2.5mが目標となっていた。「マット」がこの写真にあるものだとすれば、1日1枚見当か。
いっぽう、「マット」の売価としては5~7.5ドルという数字が紹介されていた。
7ドル×想定定員50人÷1組2人×25日×12月でだいたい500万円。
ここからはきわめて大雑把になるが、1ドル/kgのいぐさを1.5kg使い、2人がかりで1日1枚織り7ドルで売ることが可能だとすると、原価は半分ほどということになる。