「ビジネスとして成り立っていません」? (3)
いっぽう、同じくカンボジアで活動するNPO法人の中に、活動の持続を目的としながらも、まったく異なる体制でアプローチしている団体がある。
「国境なき子どもたち」である。
2007年7月には現地団体「KnKネットワーク・カンボジア」が立ち上げられ、訓練修了生は12月に生産者組合「KO&Co. カンボジア」を組織、できあがった製品を買い上げて日本で販売しているのは「KO&Co. 合同会社」、という具合だ。
■KO&Co.は、2007年6月に設立登記された合同会社です。
■資本金300万円は、KnKのメンバーやサポーターからなる5名によって出資されています。
■ 出資は個人的な投機を目的としたものではありません。
■ KO&Co. の収益はKnKの活動資金に充てられ、主にKnKがカンボジア(バッタンバン)にて2006年に開始した絹織物職業訓練の費用に充当されます。
http://www.ko-and-co.com/other/about_04.php
ビジネスのための法人形態でありながら、利益の分配を否定し、すべて現地での活動に充てる、というのだ。
ここまで凝った設計にしなければならない理由は、よくわからない。
頻繁に使われる言葉ですが、細かい定義はあまり知られておらず、しばしば議論のもととなる言葉ですね。KO&Co. にとっての<フェア・トレード>とは、次のような形のビジネスです。
■生産者が適正な環境のもとで働き、現地国の法律と子どもの権利条約にのっとり、 同時に世界的にみて常識的なルールの範囲内で生み出された製品を取り扱うこと。
■経理の透明性が保たれていること。すなわち、
□KnKとおなじ監査法人による会計監査
□KO&Co. とKnKのウェブサイト上での会計報告
□非営利活動レベルに準じた人件費
□利益の私有化や投機目的での出資を行わない
■収益をKnKの活動資金に充てること。
http://www.ko-and-co.com/other/about_02.php
設立から1期は過ぎているのだが、監査報告も会計報告もない。
また、「特定商取引法に基づく表記」で代表者名ないし販売責任者名を明かしていないのはあまりいただけない。問い合わせに応じるならば表記の一部省略は可能だが、あえて伏せる理由がない。
そういえば、現地団体が立ち上がる半年前まで「国境なき子どもたち」カンボジア支部の代表を務めていたのは、村田早耶香 理事長と同じ「人間力大賞」準グランプリの受賞者だった。
カンボジアを訪問したのは村田理事長より4、5年早く、2003年には「インターバンド」の一行に加わり選挙監視団に参加している。
「私にとってブレークスルーテクノロジーコースは行動する自信、勇気、パワーを与えてくれたコースでした。」
http://family.possibility-jp.com/a-kadokura.html
こんな履歴の持ち主だ。