「社会起業の現場を体感できる!」?
1. 今注目のかものはしプロジェクト!社会起業の現場を体感できる!
テレビ朝日系カンブリア宮殿、活動記出版と、
今数々のメディアに登場しているかものはしプロジェクト。
その根幹であるカンボジアでの事業の様子を、実際に体感することができます。
http://www.kamonohashi-project.net/news/japan/20090708_562.php
テレビ朝日系カンブリア宮殿、活動記出版と、
今数々のメディアに登場しているかものはしプロジェクト。
その根幹であるカンボジアでの事業の様子を、実際に体感することができます。
http://www.kamonohashi-project.net/news/japan/20090708_562.php
もうこれ、「社会起業」じゃないから。
持続性:寄付や助成金に頼ると活動が拡大できない。収益事業を持つことが大事。
http://web.sfc.keio.ac.jp/~kgw/Project/2003/project_mid/mid.tsuchiya.ppt
http://web.sfc.keio.ac.jp/~kgw/Project/2003/project_mid/mid.tsuchiya.ppt
これが当初の志。
いまでは「収益事業」を続けるために、「寄付や助成金に頼る」という堕落ぶり。
現地の事業規模がほとんど変わらないにもかかわらず、必要とする寄付の額は右肩上がりで、まさに「依存」だ。
〈同じ用量では効かなくなっている〉という意味でも。
「かものはしプロジェクト」の支援者には大きく何パターンかあって、そのひとつが「児童買春問題をビジネスで解決しようとしている」というもの。
ただお金や物資を農村の人たちに寄付するだけでは、問題を解決することはできません。
かえって、そうした援助に対する依存性をうんでしまいます。
私たちは子どもたちと家族が自分の力でお金を稼ぎ生活できるように職業訓練を行い、
仕事の機会を提供しています。
http://www.kamonohashi-project.net/activity/
かえって、そうした援助に対する依存性をうんでしまいます。
私たちは子どもたちと家族が自分の力でお金を稼ぎ生活できるように職業訓練を行い、
仕事の機会を提供しています。
http://www.kamonohashi-project.net/activity/
といえば聞こえはいいが、現実には寄付金を湯水のようにつぎ込んでそのように演出するという事態になっている。
すでに株式会社の立ち上げ時資本金として一般的な1000万円以上の遊休資産があるのに寄付への依存を強めようとする。
そんなのは「起業家」としては失格だろう。
すでに着想から3年以上、黒字化の期限すら口にしなくなったし、問題の性質上ある程度のスケールが必要なのに、この3月までの3年で200世帯という受益者数すら、「さらに20名以上増やし、50名以上に拡大します」という目先の数字だけで、当初の200世帯の達成期限さえ、あるいはその規模を目指しているのか否かさえ示されなくなった。
「ビジネスで解決」に可能性を見出すなら、こんな団体は見限ったほうがいい。
「ビジネスで解決」が成功するためには、「ビジネス」が成功する必要があるのだが、その見込みはないし、もはやそれを目指しているようにも見えない。
「ビジネスで解決しようとしている」という点に注目するなかには、当然「儲けが出そうだから」という視点を持つものがいる。
職業訓練修了後やワーカーとして働いた後、女性達がスモールビジネスを立ち上げ、自立する可能性を探ります
「スモールビジネス」のための「マイクロクレジット」などはその最たるもので、「途上国の高金利で資産を運用しましょう」という側面がなければ、ここまで注目はされない。
「マイクロクレジット」についてははっきりしていることがあって、
以上のような非常に苦しい状況に置かれている家族がこの地域にどの程度いるのかということははっきりとわからないが、おそらく潜在的にかなりいるのではないかと思われる。このような家族を日本では生活保護や老人年金などにより政府がサポートするが、バングラデシュでは政府の力が弱くそのようなことは望めない。またマイクロクレジット・プログラムに加入させることは融資の返済の確実性がなく非常にリスキーで、プログラムの破綻につながりかねない。マイクロクレジットとは違った援助方法をこのような家族に対しては採らなければならないだろう。
http://amda.or.jp/old/journal/bangladesh/0009-02.html
http://amda.or.jp/old/journal/bangladesh/0009-02.html
つまり、
より劣悪な環境にあり、児童買春・人身売買の被害にあう危険性の高い女性や家族を受け入れます
2009 年度にはより厳しい状況にある人達に出会います。
という方針とは相容れない。
「ファクトリー」によって最貧困層を「スモールビジネス」が可能な、つまり「マイクロクレジット」の顧客を育てようというのだろうか?
それではなにが目的なのかまったくわからない。
社会の問題を事業で解決するのが「社会起業家」であって、「事業」を行なうために問題を読み替える人間のことをそう呼んではいけない。
さらに、「儲けが出そうだから」というなかには、「儲かればなんでもいい」という連中も確実に存在する。
寄付金はできる限り効率よく事業に投入されるべきものだが、「かものはしプロジェクト」の間接経費の比率はいったいどれくらいになるだろうか?
「サポーター会費」収入は推定2000万円程度。その半分は「ファンドレイジング事業部」の人件費だけで消える。
どう考えてもまともな構造とは思えないのだが、そのようなあり方が市民権を得ることを歓迎する向き、寄付の半分以上を経費として使っちゃってもかまわないじゃないか、寄付で喰ってなにが悪い、と考えている層が、世の中にはいる、ということだ。
いいかえれば〈寄付金集め〉を「ビジネス」にしようとしている面々。
そのような部分の期待を「かものはしプロジェクト」は大いに担っている。
[追記]
たとえば、今一生だ。
●同団体は、大学生時代に現地リサーチを行い、現在のような活動を形作った。貧困が児童買春の大きな理由であるならば、職業訓練と雇用促進が必要であり、ITスキルを教えることで、将来的には日本で受注し、現地に発注することで利幅を広げ、支援活動をさらに持続可能なものにしていくことが当面の目標となっている。
(略)
●年々、収入は右上がりに増えているが、専従スタッフが同年齢のサラリーマンと同じ程度に暮らしていくにも、さらなる寄付が必要だと思われる。
http://www.createmedia.co.jp/img/kamo-gaiyo-sample.pdf
(略)
●年々、収入は右上がりに増えているが、専従スタッフが同年齢のサラリーマンと同じ程度に暮らしていくにも、さらなる寄付が必要だと思われる。
http://www.createmedia.co.jp/img/kamo-gaiyo-sample.pdf
非営利団体の専従職員が「同年齢のサラリーマンと同じ程度」の収入を得られなければならないという前提がまずおかしい。そんなの、適当に目新しい事業をでっち上げて非営利団体を立ち上げれば、それで一生左うちわじゃん。
しかし、〈得てはいけない〉ということではない。
金銭とは違う〈利益〉をもたらし、それに応じた給与を取ることはあってもいいのだが、「かものはしプロジェクト」は〈寄付金〉を〈事業〉がもたらす〈利益〉としてとらえ、分配しようとしている。
現在の「ファクトリー」なら、そこそこの資金を手に単身乗り込んでいっても実現できるレベルでしかない(というよりも、NGOよりも、個人が始めたほうが成功している事例が多いような気がする)。
その程度の事業に何人もが群がって「同年齢のサラリーマンと同じ程度」に暮らそうとするから、いびつな実態になる。
「ITスキルを教える」という事実はとっくに消滅しているし、過去のそれにしてもなんの成果もあげていないのだが、そんなものを持ち出してまでもてはやすのは、〈寄付で喰う〉という行為を肯定するためだ。
「ファクトリー」の給与は日本人職員の100分の1以下だ。
その条件で収益事業が黒字化できないのは、事業の選択自体が間違っている。
by grilled_duckmole
| 2009-07-14 11:56