「MOUがなかなか取得できない」(本木恵介副理事長) ?
現在新しい地域、クチャ郡でコミュニティファクリー事業を展開しようとしている。
活動するためには、カンボジア政府からMOU(Memorandum Of Understandingの略で
「覚え書き」のようなもの)が必要なのである。
が、しかし、MOUがなかなか取得できない。
賄賂を要求されたり、各省庁をたらい回しにされたりと、
http://www.kamonohashi-project.net/news/cf/20080319_409.php
活動するためには、カンボジア政府からMOU(Memorandum Of Understandingの略で
「覚え書き」のようなもの)が必要なのである。
が、しかし、MOUがなかなか取得できない。
賄賂を要求されたり、各省庁をたらい回しにされたりと、
http://www.kamonohashi-project.net/news/cf/20080319_409.php
"MoU"がなかなか下りない理由を考えてみる。
かつて、カンボジアでの国際NGO登録は、長期ビザの無料取得や自家用車の税金逃れにはじまり、さまざまなかたちで悪用されてきた。
その後、審査が厳格になったが、今でも商業活動のためにNGOの姿を借りようと企む輩はあとを絶たない。
悪用とまでいえるかどうかはわからないが、長期ビザと引き換えにボランティアを募っている団体もある。短期ボランティアの終了後に、そのビザでカンボジアに留まることを黙認する、といった具合に。
昨年度に続き、今年度もA社様からカバン・ボールペン・鉛筆・色鉛筆等を数百万円分、B社様からボールペン・鉛筆を2万本、C社様から中学生用の制服(白色半袖シャツと長袖のワイシャツ・紺色ズボン)を300着、D社様から大型テレビを1台、個人の支援者様からバッグを500個、私立中学・高校様から衣服500着を、(略)寄付のお申し出がありました。 (略)カンボジア国内への輸入に関しては、SAJはカンボジア外務省と、文部省とでMOU(協定覚書)を締結していますので、無税で輸入できます。
http://www.saj.or.jp/staff/pdf/s0802-81.pdf
http://www.saj.or.jp/staff/pdf/s0802-81.pdf
現在は、登録された正規のNGOが輸入するならば、工場設備のような規模のものまで関税が減免されたはずだ。
が、たとえば輸入物品の〈横流し〉を想定しただけでも、登録NGOという枠組みは非常に〈便利〉に使えてしまう。現地当局が"MoU"締結に慎重なことに不思議はない。
「コミュニティファクトリー」の活動は、現地当局の担当者にはどのように見えているのだろうか?
また、「かものはしプロジェクト」は、どのように説明しているのだろうか?
「職業訓練」とはいっても、特定の製品を作る工程にあわせての〈研修〉に近い。
家庭内手工業のための技能訓練ではないから、万が一「ファクトリー」が撤退すれば、その「訓練」が役立つ場はなくなってしまう。
給与を払うことによって家計が安定し、出稼ぎに行かずにすみ、「ひいては」児童買春被害の予防となる、という説明も。
別にNGOからでなく企業の工場からの給料でも、労働で得たお金に違いはなく、家計に与える効果は同等である。
NGOにしては「識字教育」や「啓蒙活動」は付け足し程度にしか感じられないだろうし、そもそも現地において「生命の危険もあって、児童買春の撲滅というスローガンはいっさい使用せず」 活動しているらしいのだから。
ありのままに説明すれば、「コミュニティファクトリー」は商業活動にしか見えないだろう。
そのときに、あの国で切り出されるのが「賄賂」である。
現地への〈委譲〉を前提とした「ファクトリー」だったり、あるいは単純に〈孤児院〉や〈地域教育〉といった分野での無償援助であれば、"MoU"の件はそれほど難航はしないだろう。
そうした議論の中、カンボジア人スタッフのほうから、
「申し訳ない。カンボジアの事情についてだから、
僕たちがちゃんと伝えておくべきだった」といってきた。
これはカンボジア人の問題と言うより、
MOU問題を解決できないマネジメント(日本人)側の問題といえた。
「申し訳ない。カンボジアの事情についてだから、
僕たちがちゃんと伝えておくべきだった」といってきた。
これはカンボジア人の問題と言うより、
MOU問題を解決できないマネジメント(日本人)側の問題といえた。
これは「と言うより」ではなく、完全に日本人側の問題である。
インターン終盤は、引き継ぎ書類を作成していました。
スタディツアーやNGO登録などに必要な書類です。
これらの仕事は****ボスに引き継ぎました。
http://www.kamonohashi-project.net/news/cambodia/20060914_272.php
スタディツアーやNGO登録などに必要な書類です。
これらの仕事は****ボスに引き継ぎました。
http://www.kamonohashi-project.net/news/cambodia/20060914_272.php
2006年夏に準備されていた「NGO登録」は、その後どうなったのであろうか?
〈お墨付き〉を好む「かものはしプロジェクト」のことだから「カンボジア政府から正式なNGOとして認証されました♪」という報告がありそうなものだが、ないところを見ると断念されたのだろうか。
そもそも、
だが、JICA のNGO デスクに何度も相談に伺っている中で、「事務機能を確立するためにも、現地駐在員が若い女性だけである点からも、何かリスクが起きた時に対処できるカンボジア人男性職員が絶対必要である。NGO登録を行うときにも君たちだけでは相手にしてもらえないだろう」とのアドバイスをいただき、急遽採用することにした。
(『2004年度上半期活動報告書』より)
(『2004年度上半期活動報告書』より)
現地進出の2004年夏には、すでに「NGO登録」の必要性が認識されている。
これらの時期に"MoU"が締結されていたとしても、現在の「コミュニティーファクトリー」の活動はそこには盛り込まれていなかっただろうから、結局は手続のやり直しとなる。
現在交渉されている"MoU"についても「土地を借りるため」程度の認識で、"MoU"の有効期間に渡る事業計画がじゅうぶんに練られているようには見えない。
「覚え書き」のようなもの
日本語の〈おぼえがき〉には2つの意味があるのだが、ここでの意味を正確に理解できているならば「のようなもの」がつくことはありえない。
"MoU"は〈メモ〉のようなものではなく〈公文書〉そのものなのだから。
by grilled_duckmole
| 2008-03-20 11:34