この問題は闇に隠れており、正確な状況を把握することが困難ですが、2008 年度までの調査から、カンボジアの児童買春・人身売買問題について以下のような事実が分かってきました。
ポイント
1 カンボジアの児童買春問題は解決傾向にある
2 しかし、「国際型」は依然として減りにくく、「間接型」が新たに出現している
3 また、人身売買やその原因となる貧困は未だ根強く存在している
ほらね。
二〇〇九年五月現在、かものはしプロジェクトではカンボジアでの児童買春に関する現地調査を改めて進めています。調査の結果、たいへん喜ばしいことに、児童買春問題は解決傾向にある(!)ということがわかりました。
(『いくつもの壁にぶつかりながら』p.228)
ほんとうはずっと前にわかっていたんだけど、いったんゼロになった「ファクトリー」の再立ち上げのために、まるまる1年隠しておく必要があったってこと。
これをちゃんとやってれば、"ECPAT-Cambodia"の四半期レポート並みのものができる。
説明はけっこうデタラメ。
法執行の強化によりロシア人実業家を逮捕
2007 年、カンボジアで19 名の少女に対して性的な暴力をふるったとして、41 歳のロシア人実業家が逮捕されました。被害者は、11 歳~ 14 歳が11 人、15 歳~ 18 歳が8 名でした。カンボジア内務省反人身売買局は、「外国人が関与した児童買春事件としてはカンボジアでは最悪のケースである」と述べています。今回のように、外国人富裕層の逮捕は法執行が強化された成果の一つと言えます。現在、裁判所で審議が続いています。
2007年10月の逮捕は、昨年度の「事業報告書」に載っているべきはなし。
「法執行が強化された成果」は、2008年5月に始まる裁判。
国際型
タイに出稼ぎするために違法に国境を越えた子ども達が被害にあうといったケースです。この場合、子ども達は移民法では違法者となり、弱い立場におかれるため被害にあうのです。国連機関(UNIAP)が主催する反人身売買会議で、こういったケースが依然として残っていると報告されています。
あのー、ベトナム人や中国人が連れてこられるケースはどこへいってしまったんでしょうか?
「ファクトリー」では守れないから、そういう問題にはできるだけ触れない、ってこと。
あまりこういうことは書きたくないが、「売春産業」にとってクメール人の〈商品価値〉は低いんだ。だから、〈結果として〉「被害にあう」ということになる。
ベトナム人や中国人は、最初から売春させる目的で連れてこられている。
間接型
カンボジアでは、買春宿で子どもや女性を直接買うのではなく、マッサージ店やカラオケなどで買う「間接型」と言われるタイプが増えてきています。これは、政府や民間の取り組み強化などの努力により、買春宿が摘発、閉鎖されるようになったからです。より問題の現状を把握するのが難しくなっています。
前にも書いたけど、それはほとんど「児童買春」と関係ないでしょ。
もともと多くの売春宿がかたちだけ「Massage」「Karaoke」の看板を掲げていたわけで、ここでいう「マッサージ店」や「カラオケ」は、それを本来の商売としておおっぴらにやっているとこ。
そこには売春する者もいればそうでない者もいるからわかりにくい。
私達の役割は、児童買春・人身売買問題の被害者を減らすことです。これらは、きちんと取り組めば絶対になくなる問題です。
だから、どうしてきちんと取り組まないんだろう?
減りはするけど、なくならないと思うよ。
たとえば、売春の行なわれる場から17歳を完全に排除するのはかなり困難だと思う。
「17歳はこども」という価値観がカンボジアに普遍のものではないからだ。日本人女子が16歳で結婚できることを外国人が非難しても、日本人自身はそれほど深刻に受け止めないことと似たようなものだからだ。