"You can change the world" ? (16) :「ブダペストクラブ」(2)
「世界賢人会議」と呼ばれる団体がある。1993年に創設された「ブダペストクラブ」だ。日本ではあまり知られていないが、一体どんな団体なのか。
http://www.peaceproposal.com/jbudapestclub.html
http://www.peaceproposal.com/jbudapestclub.html
「ブダペストクラブ(The Club of Budapest)」内には「世界賢人会議(World Wisdom Council)」という機関があったが、日本では「世界賢人会議」はたびたび「ブダペストクラブ」そのものであるかのように紹介されている。
"WorldShift Network"となっても、組織図上「世界賢人会議」は存続しているのだが、「会議」に関する説明は大幅に縮小され、メンバーが誰なのかもわからない。
http://www.worldshiftnetwork.org/organization/structure.html
藤沢烈社長のブログで著書『グローバルブレイン』が紹介されているピーター・ラッセル(Peter Russell)は「ブダペストクラブ」の名誉会員("honoraly member")である。
ラッセルは「モンロー研究所」の初期に深く関わっているのだが、「研究所」で行なわれているのは、
ゲートウェイ・ヴォエッジ (入門コース)
ライフライン (死後世界探索、救出活動)
エクスポレーション27 (死後世界の中のフォーカス27を探索)
ガイドラインズ (ガイドとの交信)
ハートライン (ハートエネルギーを開く)
タイムライン (時間を超えて過去、未来へ)
スターラインズ (宇宙内探索、大きな自己を知る)
MC2 (念力、ヒーリング)
リモート・ヴューイング・プラクティカム(リモート・ヴューイング訓練)
エクスポレーション・エッセンス(自分の内面を知る)
http://www.aqu-aca.com/monroe-program.html
ライフライン (死後世界探索、救出活動)
エクスポレーション27 (死後世界の中のフォーカス27を探索)
ガイドラインズ (ガイドとの交信)
ハートライン (ハートエネルギーを開く)
タイムライン (時間を超えて過去、未来へ)
スターラインズ (宇宙内探索、大きな自己を知る)
MC2 (念力、ヒーリング)
リモート・ヴューイング・プラクティカム(リモート・ヴューイング訓練)
エクスポレーション・エッセンス(自分の内面を知る)
http://www.aqu-aca.com/monroe-program.html
といったプログラムのようだ。
調べた範囲では、ラッセルのもっとも古い著書は「超越瞑想(TM)」についてのものである。
「世界賢人会議」のメンバーが数人列挙されるとき、ミュージシャンであるという異色性でアピールするためかピーター・ゲイブリエル(Peter Brian Gabriel)は必ずといっていいほど登場する。
ピーター・ゲイブリエルはバンド「ジェネシス」のメンバーであったが、そのメンバーチェンジの裏には一部メンバーの、ロシアの神秘思想家、ゲオルギイ・グルジエフへの傾倒があったという。
さらに"WorldShift Network"の"partner"団体に触れておこう。
"The Institute of Noetic Science(「ノエティックサイエンス研究所」)"と"Quantrek"。
その夜、9時ごろ私は、ノエティックサイエンス研究所の写真やシールドされた測定室の中に置かれたペットボトルに入った水を、350名の参加者に、スライドで見せ、いつものようにそれに対して”愛しています。ありがとう。尊敬しています。“と祈ってもらいました。
http://www.masaru-emoto.net/newemoto2/index1216.html
http://www.masaru-emoto.net/newemoto2/index1216.html
かの『水からの伝言』の著者も出入りしている。
"Quantrek"の創設者のひとりはアポロ計画の月着陸船操縦士で、彼は私的に船内で超能力に関する実験を行なったという。
「量子力学に基づく最新のテクノロジーで人類にイノベーションをもたらす」ことが目的のひとつに掲げられているが、創設者の著書のタイトルは"The Quantum Hologram and ESP"だったりする。
http://www.amazon.com/Quantum-Hologram-Esp-Astronaut-Edgar-Mitchell/dp/B0007TKNVU
再び藤沢烈社長のブログで取り上げられた著者に戻る。
ケン・ウィルバーの著作も「今事記」の重要な参考文献のようだ。
web上に著作からの引用が転がっていたので、そのまま転載すれば、
(アストラル・レベルは)基本的に体外離脱体験、ある種のオカルト知識、オーラ、真性魔術、幽体旅行などを含む。
サイキック・レベルにはESP、予知、透視、念動、その他"サイ"現象と呼ばれるものが含まれる。
(『アートマン・プロジェクト』より)
サイキック・レベルにはESP、予知、透視、念動、その他"サイ"現象と呼ばれるものが含まれる。
(『アートマン・プロジェクト』より)
とのことだ。
アブラハム・マズローの欲求段階説は有名だが、五番目の自己実現欲求が何を指すかご存知だろうか。マズローは自分の能力の発揮にとどまらず、他人を受け入れ、自分を超越することまで言及している。自己実現とは、自分本人だけではなく、世界と一体化された自己の実現を指しているのではないか。
今の日本でも、自分の成長をめざして、セミナーが大流行だ。ただし、その場合の成長とは自分本人ではなく、世界と一体化された自己の成長である必要がある。自分一人だけ儲けたとしても、世界とますます断絶するのみである。
http://retz.seesaa.net/article/75470446.html
今の日本でも、自分の成長をめざして、セミナーが大流行だ。ただし、その場合の成長とは自分本人ではなく、世界と一体化された自己の成長である必要がある。自分一人だけ儲けたとしても、世界とますます断絶するのみである。
http://retz.seesaa.net/article/75470446.html
ピーター・ラッセルの『グローバルブレイン』について書く中で、既存の「セミナー」に対する疑問が提示されているが、そこで触れられているアブラハム・マズローは、
By the time Erhard arrived in San Francisco, he'd had jobs selling and managing salespersons for Great Books and Parent's magazine. He became part of the self-help movement after hiring Robert Hardgrove, who introduced Erhard to the work of Abraham Maslow and Carl Rogers. Maslow and Rogers were unique in psychology at the time, for they emphasized not the disturbed or ill person, but the healthy, happy, satisfied, accomplishing person. The human potential movement was just getting started and Erhard would be in on the ground floor.
http://skepdic.com/est.html
http://skepdic.com/est.html
「自己啓発セミナー」というもののルーツとなった"est"という団体と、深い関わりを持つ。著作が参考にされただけではなく、"Human Potencial Movement"という場で両者はいちど交わっている。
「研修」企業のセミナーを主な舞台にして展開されるのだろう「今事記」。
その構成要素には「自己啓発セミナー」も参照したような概念に加え、扱い方を誤れば単なる疑似科学で終わってしまいかねないものが含まれている。
「今事記」シリーズがどのようなものになるのかは見当もつかない。
もっぱら「精神世界」への傾倒者に熱烈に受け入れられることを危惧するのだが、藤沢烈社長のブログに寄せられたコメントには、すでに「バシャール」の名が挙がっていた。
出現する未来、叡智の海、知恵の樹。世界のこれからを考えていくキーワードは出てきた。思考を止めること。宇宙の声を聴くこと。自然の力になること。
http://retz.seesaa.net/article/87443512.html
http://retz.seesaa.net/article/87443512.html
たびたび「思考を止める」ことの大切さが説かれるのだが、取り上げられたうちの1冊、『読書力』(斉藤孝)の回の引用範囲にはこうある。
私は大学時代、神秘主義的な団体を調査したことがある。入信している人たちは決まって、あるところで思考停止をしていた。絶対的な価値観を一つ受け入れ、他を否定する思考パターンに陥っていた。読書の幅も限られていて、自分たちの教義に合致するものが選ばれ推奨された。それと食い違う場合には、憎むべき悪書として攻撃していた。(略)矛盾しあう複雑なものを心の中に共存させること。読書で培われるのは、この複雑さの共存だ。
http://retz.seesaa.net/article/76215188.htmlにある『読書力』(斉藤孝)からの引用
http://retz.seesaa.net/article/76215188.htmlにある『読書力』(斉藤孝)からの引用
「思考を止める」ことに関するこの〈矛盾〉した扱いは、同書に現れた「矛盾しあう複雑なものを心の中に共存させる」という文脈での「矛盾」とはまったく異なるだろう。
by grilled_duckmole
| 2008-03-02 19:28